古代史解読のために

 日本の古代史を記録した史書は、古来『先代旧事本紀』『古事記』『日本書紀』の三書が
伝えられてきた。歴史を知るためには、史書の記録が最も有益であることは論を待たない。
しかし史書と雖も、そこに歴史のすべてが語り尽くされている訳ではない。従って、史書の周辺に
存在する歴史資料の研究は欠かすことが出来ない。それらの周辺史料には次のようなものがある。

(1)日本の史書(『先代旧事本紀』『古事記』『日本書紀』・六国史)

(2)中国・朝鮮の史書(『後漢書』『魏志倭人伝』『三国史記』等)

(3)古代氏族文書・古代氏族系図

(4)歴史としての神社資料(郷土史資料)

(5)古代倭語の研究(歴史地名)

従来これらの各項目には、専門の研究者の方がおられて研究が進められてきたのであるが、
それらばらばらに行われてきた研究を「日本古代史」と云う一つの歴史として組み立てるためには、
研究統合のための基準が必要であった。しかし従来そのような尺度は存在しなかったため、個々の
項目で成果を上げられても、それを歴史(史実)として組み立てることが難しかったと思われる。

本書は、これらの5項目を別々に検討するのではなく同時に検証し、「古代倭語」と云う尺度のもとに
一つの歴史(史実)として組み立てようと試みたものである。

「古代倭語」は歴史と直接関係ないと思われるかもしれないが、これらの資料の解読、
特に神話の解読には「古代倭語」の研究が必要である。それは神々の名前(神名)が
「古代倭語」により記録されていることが明らかになったからである。

又、上に掲げた5項目の他にも、古代史解明のためには「考古学」や「歴史地名学」も重要である。
しかし、本書は「文献史学」的な歴史研究を主体としたものであるから、「考古学」や「歴史地名学」には
深入りせずに検証の裏付けとして用いることに留めた。
ただ結果的に「歴史地名」は、「古代倭語」と一体であることを突き止めることが出来た。

                     

「魏志倭人伝」 中国の歴史書『三国志』中の「魏書」第30巻烏丸鮮卑東夷伝倭人条の略称

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